こんにちは、ハイ子です。
皆さんは見果てぬ夢を追いかけたことはありますか?
ハイ子は今もその道半ばかもしれません。
夢は夢のまま終わるのもいいかもしれませんが、夢を現実のものにすべくチャレンジしてみるのもいいことですね。
ハイ子にはかつて夢がありました。
「役者」という夢です。
中学で演劇部に入り演技の楽しさに目覚めました。
そこから高校大学と続けて演劇部に入りたかったのですが、あいにく高校に入ったその年に演劇部は部員不足のために廃部になりました。
そして、大学こそは演劇部!と思ったのも束の間、なんの因果か入学したその年に廃部になりました。
後からきいた話ですが、その演劇部は結構なもぐりで、裏で宗教活動的なことをしていたというので、廃部になって結果オーライだったのですが…。
正直、自らサークルを立ち上げるという意気込みもなく、というか発想すらなかったので、まあまあ中途半端な熱意だったのかなぁとは思います。
そして結局不完全燃焼のまま、アラサーを超えアラフォーになった頃のお話です。
このままではいけない。どこかで踏ん切りをつけなければ…という思いから、とある劇団のワークショップに参加しました。
ワークショップといっても、一方的な勉強会みたいなものではなく、次の公演のオーディションも兼ねた、なかなか濃ゆい内容のものでした。
たしか有料で、2,000円ほどだったかと思います。
この劇団さんは、東京の下北沢で定期的に公演をしており、毎回それなりに満席になっているので「知る人ぞ知る」的な劇団ではないかとハイ子は思っています。
そんな劇団のオーディションに、40過ぎたおばはんが、しかも演技経験は中学生どまりのおばはんが、何を思って参加したのか、いまとなってはさっぱりわからないのですが、若気の至りというのでしょうか(若くない)
とにかく参加してみたら、オーディションする側もされる側もざっと見た感じ、ハイ子が一番年配だなと思いました。
そして現在演技に全く関係のない仕事をしているのはハイ子だけでした。(当時は無職ではなく旅行会社勤め)
参加者は総勢15人ぐらいだったのではないでしょうか。
過去にこの劇団の公演に出ていたベテラン勢もいれば、「今演技の猛勉強中です!」というプロダクションに所属しているキラッキラの若い子もいました。
冒頭一人ひとりが簡単に自己紹介したのですが、ハイ子は包み隠さず、
「演技経験は中学校の部活動以来です。年齢は42歳です。よろしくおねがいします」と言いました。
その時の皆の一様な遠い目…今も忘れません。
そして、オーディション兼ワークショップが始まったのですが、衝撃的なまでに全く指示が頭に入ってきません。
ちなみに次回公演のたたき台的台本をワークショップの10日ほど前にデータでもらっていたのですが、仕事の合間にちらっと斜め読みしただけでした。
あらすじはなんとなく頭に入っていましたが、もちろんセリフなんて覚えていないし、キャラクターの演じ分けができるほど読み込んでもいませんでした。
そんな中で、「では次のページのシーンをあなたは○○役、あなたは○○役でやってみて。はい!」みたいな感じでぼんやりした指示のもとオーディション兼ワークショップが始まってしまいました。
なにをどうすればいいのやら…。
一応立ち位置やら細かいキャラ設定とか、脚本を書いた劇団の代表みたいな人から指示が出されるのですが、そんなもん一回きいただけじゃわかりません。
こっちはセリフを言うだけで精一杯、しかも人前で演技をするのは30年近く昔のこと…。
「はい!そこで振り返って」とか「○○に向かって歩きながら…」なんて、高度すぎる指示はもはや、「わたしはだれ?ここはどこ?」を通り越して「ここはだれ?わたしはどこ?」状態です。
しかし場数の問題なのでしょうか?
他の方はだいたい一回の指示ですんなり演じており、しかもセリフまでしっかり覚えている人もいるではないですか!
愕然としました。
しどろもどろになるハイ子は完全に「この人はもうだめだな…でもサポートしてあげないと、成り立たない…」という諦めモードではありますが、若い皆さんが助け舟を出してくれます。
最終的には私に対する指示がなくなり、ひたすら皆さんの演技を観るだけになりました…。
『現実を知る』
とは、こういうことですね。
何をするにも、経験は大事です。
いきなり準備ゼロで、下積み経験もなく、この世界に飛び込もうなんて…むしろド素人だからこそできる技ですね。
そんなわけで、地獄の正味2時間が終わりました。
23区縦断以上の移動をして参加したワークショップでしたが、なんだかとても切なくなって、どうにもこうにも気持ちのやり場がなく、公民館ぽい会場から最寄りの祐天寺駅まで徒歩10分程度の道でしたが、全速力で一度も止まらずに走って帰りました。
季節は冬、オリオン座がきれいに輝いていました。
結果は合格者のみ通知となっていましたが、もちろんハイ子には連絡がきませんでした。
夢は夢のままにしておくのも良いですが、あそこまで清々しく「ダメな感じ」を味わうと、なんだかすっきりした気持ちです。
何事もそれを商売にする、まさしく「役者で食っていく」とは並大抵の努力と忍耐が必要なんですね。
骨身にしみてわかりました。
そんなことがあった42歳のおはなしでした。
今日のうまいもの👇👇👇千駄木にあるゴーストバーガーさんのカラベルバーガー(ハラペーニョソースが効いています)ポテトとドリンクセット660円はお値打ち
おしまい